「ねぇ、バトー~……」

甘ったれた声を出してバトーにしなだれかかる素子は、いつもの厳しい上司としての顔はどこへやらだった。

手にはワインの瓶を握り、ぐいぐいと喉に流しこんでは、順調にテーブルに散らかった空瓶を増やしていく。

バトーもビールを休む暇なく煽りながら、そんな素子を扱いかねているようだった。

「おい少佐、飲みすぎじゃねぇのか。いくら明日がオフだからってよ……」

「貴方も明日は休みでしょ~?ほら、もっと呑みなさいよ~」

そのへんのビール瓶をつかんで、素子はバトーが握るグラスへ流し込む。

「充分に呑んでるだろが……おい、零れてるぞ」

「細かいこと気にしてたら駄目よ、駄目!」

「随分荒れてんなぁ……なんだ、なんか最近あったのか?男絡みか?」

床にこぼれるのも気にせずビール瓶を傾けてはそのへんに放り投げた素子に、ついにバトーは素子を宥めようと話を振った。

だがその途端に素子は暗いテンションへと代わり、バトーから顔を背けて呟く。

「……そう見える?」

「え、あ、いや、そう見えるっつうか……他に思い当たらなかっただけなんだが」

思わずうろたえたバトーに、素子は自嘲気味に微笑んだ。

「」




「俺の趣味が、あんまいい趣味じゃねぇのは知ってるだろ?」

「……そうね」

「だったらやめとけよ」

「」
2017/03/10(01:25) | Comment:0
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