無理矢理系です。軽い拘束あり

(※性的表現が含まれますので、18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい)
「こんな風に手に入れようとするやり方は間違ってるんだと……俺もわかってる。でも、すまない。もう我慢、できないんだ」

頭上で響く声。
彼の顔は影となって、よく見えない。
彼のネクタイに縛られた両手はがっちりと押さえられて。
床に仰向けの私の足は彼によって開かされる。

……どうして?なんで?何が起きてるの?

理解したくない現実が、この状況を理解しようとする私の思考を停止させる。


彼の生温かい舌が肌をはいずり回る。
ニーハイソックスを脱がされた足がやけに寒くて。

天井を見つめるしかない私は、抵抗して暴れることもできなかった。


制服のブラウスの上から、乱暴に胸を揉みしだかれる。
痛い、と思っても声に出せない。
プチプチと、そこだけはやけに丁寧に、ブラウスが脱がされる音を聞く。
素肌に触れた手がお腹にさわってから、上へと滑って、直接胸を弄ぶ。
大きな手は私の鎖骨から首筋に触れて、うなじから肩にかけて下がれば、服が脱げて、私の上半身のほとんどが露わとなった。

「のざ、きくん………」

そこでようやく声がでる。
耳から首筋にかけて彼に舐められたからだ。
間近で見えた彼の瞳はいつもと変わらないように見える無表情だった。

私の呼びかけは無視されて、彼は黙々と私の体を愛撫しつづけた。


次第に我慢できなくなる息と声が、やけに大きく聞こえて。
出したくないのに出てしまうそれらは、今までに聞いたことのない私の声だった。

かん高くて甘い、ドラマや映画でしか聞いたことのない、いやらしい声。

どうしようもないこの状況で、私の体は熱を帯びていく。
痺れるようにそれは背筋をかけ上がり、お腹の奥から下半身へと集まっていく。

これはなんなんだろうと考えずとも、今までに得た知識から自然と答えが出る。

……性的な快感、というものなんだろうと。



「のざき、くん……っ!」

ついにソコを覆っていた下着も脱がされて、私は羞恥で身をよじらせた。

大きく開かされた足は彼の手で押さえられ、閉じることはできない。

平均的な大きさしかない胸を直接見られるよりも、遥かに恥ずかしくて。

「……濡れてるな」

小さく呟かれた言葉は、いつもと同じ彼の声で。

つぷりと細長いものが差し込まれて、中を探られる感覚。

鈍く伝わる感触は今までに知らなかった、私の奥深い所で起きている。

「……やだ…っ!」

目線を動かせば、彼の手が私のアソコに触れてるのが見えて、
差し込まれてる指の動きが激しくなって、凍るように動かせなかった体が
私の知らないうちに跳ねて、彼から逃れたくて、考えるより先に、私の膝が彼の脇腹へと入った。

「あ……」

しまった、と思うも遅く、彼が顔をしかめる。
誰が見ても私の正当防衛になる状況なのに、相手はよりによって私が大好きな、大好きな男の子で。
混乱する思考で私は思わず言っていた。

「ご、ごめん……っ」

なんで謝ってるんだろう。私。
でも痛そうにしている顔を見るのが、辛くて。

野崎くんはちらりと私を見て、何も言わずに、私の体の下に手を入れる。
驚くうちに体はひっくり返されて、うつ伏せになった私はリビングの床と縛られている自分の手を見下ろす格好となって。

膝を立てさせられて、四つん這いとなってから、
再び下半身のソコへ何かが触れて、ぬるぬると蠢いて、入口を探っては、幾度も通り過ぎていく、指とは明らかに違う感触。
首をひねって後ろを見れば、彼が私のアソコを舐めているのだと知る。
恥ずかしさは限界を通り越して、与えられる刺激に体は震えて、気づけば私は泣きじゃくっていた。

「やだっ…いやだ、やめて…っおねがいだから、やめてよ…っ!」

泣いても願っても彼の舌の動きはとまらない。
左足の太股と、右足のふくらはぎが彼の手で押さえられて、逃げようにも私の体は動かせない。

「なんで、なんでこんなことするのっ…私、いやだよっ…こんなの、イヤ……っ怖いのに、なんでやめてくれないの……野崎くんっっ!!」

目を閉じればいつもの彼の姿がいくつも浮かぶ。

ベタ塗りする箇所を教えてくれる彼。
机へ向かって漫画の原稿を描く彼。
みこりんと他愛無い会話をする彼。
学校でお弁当をくれて感想を聞く彼。
自転車の後ろに乗らないかと聞く彼。
難しそうな顔でネタにつまって苦しんでいる彼。
明日は剣さんが家に来るんだと嬉しそうに言う彼。
都さんと前野担当さんの話をして今自分は恵まれていると噛み締めている彼。
料理を作りすぎたから食べていって欲しいと言う彼。
私のりんご飴をかじる彼。
普通とは違う見方で映画を楽しむ彼。
撮影したいからセーラー服を着て欲しいと言う彼。
………
………
……。


ああそうか。
いくら名前を叫んでも、今の彼とそれらの彼は別人なんだ。
別人だから私にひどいことをして、私が泣いてもやめてくれないんだ。

ようやく納得できた事実に私は急に静かになる。

息を殺しても漏れてしまう声を聞きながら、私は考えることをやめる。

だってこの人は野崎くんじゃないのだから……。









ようやっと彼の舌や指から与えられる刺激がやみ、ホッと息をついたとき、
何かがソコに押し付けられているのを知る。
なんだろうこれ、と思う間に、ふと頭に浮かぶ、いろんな卑猥な知識。
やめて、と声が喉から出る前に、体を引き裂かれるような痛みで私は息を詰める。

「い、たい……っ痛いよっ」

絞るように声が出た。
ぐいぐいと押し込まれる太さは、指とは比べ物にならなくて。
彼が何をしているのかはわかるのに、その事実を認めたくなくて。
痛みに焼けついていく思考は、今この時を耐えるしかないんだと、わかりきっている答えを出す。
無情に押し込まれて、私の奥まで辿り着いて、その質量の圧迫感に息を吸うことすら苦しい。

「……佐倉、初めてだったのか?」

久しぶりに聞いた気がする声に訊ねられ、私は何を聞かれているのかわからない。

「…なにが……?」

だけど無視できなくて問い返せば、躊躇う気配を感じる。

「……SEXするの、初めてなんだろう?ココから血が出てるから……」

少ない知識で彼が言いたいことがようやく理解できた。

「初めてに、決まってるよ……っ」

答えながら落ち込む自分を知る。
涙がまたあふれて、リビングの床を濡らす。
そうだ、これが自分の初体験なんだ。
初体験は好きな男の子とロマンチックな雰囲気で!と夢見ていたことを思い出す。
……相手こそは好きな男の子となったのに。
それなのに……。

「…………ごめん」

どうして謝られているんだろう。
何を謝られているんだろう。
わからないことばかりなのに、彼はソレを私の中に挿れたままで。
痛みに必死に耐えている自分が馬鹿みたいに思えた。


「……佐倉、好きなやつがいるんだろう?」

唐突な質問とその内容に、追いつかない私の思考に彼はさらに言う。

「そいつとは、付き合わないのか?もう告白したんだろう?」

前に私が言った言葉を覚えていたんだろうか。
よりによって今それを聞く彼は、私にとっての『大好きな男の子』であると同時に『悪魔』のようにも思えた。
こんな真っ黒な感情が自分に湧き上がるなんて初めてだった。
噛み締めた唇に血が滲んで、心の中で開いた蓋からそれが溢れ出す。

「……野崎くんには、関係ないよっ!!
私が誰を好きでも、告白しても気づいてもらえなかったのも、便利屋くらいにしか思われてないのも、全部……ぜんぶ、関係ないからっっ!!」

大きな声に、私の腰に添えられていた彼の手がびくりと震えた。

あふれ出してしまえば、もう、止まらない。

「だって、私のこと好きでもなんでもないんだよね!?
漫画のベタを塗ってくれる便利なアシスタントなんだよね!?
私に料理を食べて欲しいのも作りすぎたからで、お弁当をくれたのもマミコになろうキャンペーンで、自転車の後ろに乗ってほしいのも漫画のネタ作りのためで、私にセーラー服を着て欲しいのも絵の構図のために資料が欲しいからなんだよね!?
私のこと好きでもなんでもないなら、私がどの男の子に告白しても付き合っても付き合わなくてもフられても、野崎くんには全然、関係ないじゃないっ!!」

一息に言い切れば酸素が足りなくて、乾いた喉が痛くて、私は懸命に息を吸った。

そして、気まずく落ちた沈黙のあとに聞こえてきた言葉に、私は耳を疑う。

「関係なく、ないよ。……だって、俺は佐倉を好きだから」

…………!?

……彼は何を言っている?
野崎くんであって野崎くんじゃないこの男の子は、今何を言った?

……………………私を、好き?


「……そんなの、ウソ。嘘だよ。野崎くんが私を好きなんて……有り得ない。だって野崎くん、私にひどいことしてる。私が泣いても痛がってもやめてくれなかったのに、なんで、私を好きなの。好きなら、こんなことできないよ。私が嫌がってることするなんて、おかしいよ……!」

私の現実逃避も含まれた現実は、少しは彼の心に響いてくれただろうか。
期待する心と落ち込む心で、私は再び唇を噛み締めた。

「……そう、だな。佐倉の言う通り、俺がおかしい。
俺がおかしいから、佐倉を酷い目に合わせてるんだ。
わかってるよ。わかってるけど、でも俺は、佐倉を好きだから。
それは嘘じゃない。嘘じゃないからこんなことしてるんだ。
佐倉を好きで、他の男に触らせたくなくて、俺だけの佐倉になって欲しいから、こんな酷いことをしてるんだ。
……佐倉を便利なアシスタントだと思ってることは否定しない。
佐倉のベタはいつも上手で、本当に助かってる。
あとセーラー服を着て欲しかったのは資料のためだけじゃなくて、俺の下心も入ってたよ。きっと、可愛い佐倉が見れると思ったから。」

「………え?」

「今もそうだよ。佐倉の嫌がる顔も、泣き叫ぶ声も、胸もアソコも、全部可愛い。
可愛くて、可愛くて……いつも俺を誘惑しているように見えた。
佐倉にそんな気は無いって頭の隅ではわかっていたし、アシスタントを頼んでいるのは俺なのに、男が一人暮らしのマンションに、しかも夕方や夜にほいほいと来てくれる佐倉は、お人よしすぎると思ってた。
泊まって行きたいなんて言うのを聞いたときは、馬鹿なんじゃないかと思った。
……男はみんな狼だっていう歌知らないだろう?
俺が狼なんだって、佐倉は気づかなかっただろう?
佐倉は他に好きなやつがいるのに、なんでそこまで俺に協力してくれるんだ?
携帯無しで駅で待ち合わせする実験も最後まで付き合ってくれたし、堀先輩に背景の描き方も教わってるんだろう?
そうして俺と居る時間を増やして、なにか佐倉にメリットがあるのか?」

私は思考が停止した。
『大好きな男の子』と過ごす時間が増えることにメリットがあるのかと真剣に聞く彼に、頭が回らない。

……私が野崎くんを誘惑していた?いつ?どこで?何時何分何秒に?

違う。私はただ野崎くんと一緒にいられて嬉しかっただけだ。
泊まって行きたかったのも野崎くんの作る晩ごはんと朝ごはんを食べたかったからだし
堀先輩やみこりんや若松くんは泊まっているのに私だけダメなのが納得行かなかったから。

そうだ、そういえば結局まだ私は泊まったことないんだ。
ご飯はいつも貰うお弁当で存分に食べれるけど、朝ごはんは一度も……ってちょっと待って私、思考が逃避して脱線してる。

そうじゃなくて、野崎くんは狼で……ん?オオカミ?オオカミってなに?
赤ずきんちゃんとオオカミの絵本の話のこと?私を食べるの?
あ、そうか、今無理矢理犯されてるのが、食べられるってことか。
あーなるほどー。
………………
……………
…………
……。

ブチィッ。


私の中で何かが切れた音がした。







ふと意識を戻せば、ずっと突っ込まれてるソコは徐々に痛みが薄らいでいる。

腰と足を押さえられてる彼の手の力も弱まってるのを知り、まず床についた両肘でじりじりと上半身を前へ動かし、彼に引き戻される前に足を後ろへ向けて思い切り伸ばす。
ずるりと抜け落ちた瞬間に私は身をひねって仰向けになり、彼に当たらないように、片足を折り曲げて体へ引き付け、それを伸ばす勢いと腹筋で身を起こした。

「……できた」

できるかどうかわからなかったので、まず言えたのはそれだった。
鈍くさい自分でもやればできるものなんだと感心してから、ふと困ったようにこちらを見下ろす視線を感じる。
そちらへ向けて、縛られてる両手を突き出して言った。

「まず、これ取って野崎くん。私逃げないから。だから取って」

赤いネクタイで縛られた私の両手首には跡がついていた。

彼はしばらく躊躇ってから、私の手に触れ、ネクタイを解いていった。

解放された手を見つめて息を吐き、私は野崎くんを見上げて言った。

「私の好きな人って野崎くんだよ。野崎くん、気づかなかった?」

「……………え?」

驚愕する彼に私は続ける。

「私が『ファンです』って告白したのは漫画家夢野咲子さんにじゃなくて、野崎くんのファンですって言いたかったの。でも野崎くんが勘違いしちゃってサインをくれて、『家に来る?』って聞かれて行ったらベタを塗ってほしいって言われて……」

思い出せば遠い日のことに思えた。
それから半年以上経つのに、私と野崎くんの距離は何も縮まらなくて。
でも、今日私は彼に――。

「だから私ね、とっくに野崎くんだけの佐倉千代だったの。野崎くんに振り向いて欲しくて、好かれたくて、一緒にいたくて、だから堀先輩に背景を習ってお泊りもしてみたかった。野崎くんを誘惑した覚えはないけど、もし私が無防備だったのなら謝るよ……ごめんね」

謝れば、さらに戸惑う気配を感じる。

彼が何か言う前に、私のほうから、そっと彼の手に触れた。

「……私、野崎くんが私を好きだなんて……全然気づかなかったの。その、か、可愛いって思ってくれてるのも知らなくて……。だから、その、続きを……シたいなら、シていいよ。それ、辛いんでしょう?」

引き抜かれても、彼のズボンから露出しているソレは硬く天を向いているままだった。
少ない知識をフル動員して思い出すとたしか、『精液』を『出せば』、よくなるはず……。

「でも……」

股間にそそり立つものを私に指差されて、野崎くんも迷うように視線を動かすが、戸惑いは消えない。
私は大きく息を吸って、野崎くんの手を握る。

「だからね……続きをシていいから、私を、野崎くんの彼女にしてください」

ようやく言えた台詞に肩の荷が下りたのを感じる。
そうだ。この台詞こそ、本当に彼に言いたかった、私の気持ち。


「佐倉……怒ってないのか?」

少しだけ沈黙が落ちてから、彼が言う。私は考えてから手に握る大きな手をそっと離した。

「怒って、ないわけじゃないけど……でも、私にいきなりこんなコトしたのは、私を好きだからだって野崎くんが言ったから。だから私は、野崎くんのためなら、体でもなんでもあげたいの。それで野崎くんが満足してくれるなら……」

言いながら、私はぼんやりと思い出していた。
『ヤらせてあげないと機嫌が悪くなる彼氏が超めんどくてさー。浮気したら逆ギレしたから私のほうからフってやったんだー。ほんとやんなっちゃう。腰痛くなるのはこっちだっつーのに』
とクラスの女子が笑いながら、その隣の席の女子に話しているのを偶然聞いたことがあったことを。
結月も鹿島くんもハッキリとは言わないけど経験済みであることを匂わせる話をしていることがある。
その話の輪に入れなくても結月も鹿島くんはイヤそうな顔はせず、『千代ちゃんはそのままでいいんだよ~』と頭を撫でられたこともある。

子供扱いされることは嫌いではなくて、むしろ私にとっては都合のいいことが多かった。
だけど今は、みんなも登ったであろうその階段を、拒んでしまったら、野崎くんは私を――。


そんな私の葛藤を知ってか知らずか、野崎くんは躊躇いつつも私の裸の肩に手を置いた。

「……俺は佐倉の気持ちを知らなくて、気づけなくて、それなのに今日、佐倉を傷つけたんだ。本音を言うと、佐倉が俺を好きだとわかっても、まだ信じられない気持ちのほうが大きい。……佐倉はそれでいいのか?俺がそんな男でも、俺に体を好きなようにされても構わないのか?それでも俺の彼女になりたい、と言えるのか?」

思ったよりずっと冷静な彼は、私を諭すように質問を繰り返す。

――その時の私は、頭のどこかで微かな不安を感じていたのに、野崎くんの彼女になるために過ごしてきた日々のほうが大きく膨らんで、いともたやすく私の首を縦に振らせていた。

「そんなの当たり前だよ。だって私は野崎くんを大好きなんだから」

嘘偽りない気持ちが滑り出る。

「……ありがとう、佐倉。それと……ごめん」

最後に小さく呟いて、野崎くんは体を屈ませて私へ顔を近づける。

唇が触れ合ってすぐに離れて、私は思わず口へ指を当てた。

「………ファーストキス……」

小さく漏らせば、野崎くんはわずかに目を丸くしてから、複雑そうな表情で、それでも微笑む。

「俺もだよ、佐倉」

「……本当に?」

「ああ。だって佐倉に会うまでは初恋もまだだったんだから」

もしかして半分以上冗談で言ったのかと思っていた台詞は彼自身によって肯定された。

それに驚く暇もなく、さっきまでもっとイロイロと体を彼に弄ばれていたのにも関わらず
私はその口付け一つと言葉に、顔が火照るのを感じる。


「……あの、早く、続きシようよっ。わっ、私、頑張るからっ」

照れ隠しに口走ってから、私はなんてことを言ってるんだろうと思ったが、
ふわりと体を抱き上げられて、彼より目線が高くなって、見つめられて息を呑む。

「佐倉千代さん。……俺だけの、彼女になってくれますか?」

彼の声はほんの少しだけ震えていた。
無表情に鋭い目つきは変わらないのに。

「……はい」

私は頷いて、彼の首に腕を回して抱きついた。


私をお姫様抱っこしたまま、寝室へ向けて歩きだした彼に、体を揺らされながら

――私、本当にこれでいいんだよね?

と頭の片隅に浮かんだ小さな不安を、
強引にかき消して――。
2014/10/17(05:24) | Comment:0 | TrackBack:0
Secret

TrackBackURL
→http://piyozzz.blog.fc2.com/tb.php/241-d4312875