「思い返せば、私はただの猿のようだったとも思いますし、非常に愚かだったとも思います。……でもそれは自覚していたことでした。金で風俗嬢を買おうとすれば、向こうさんも商売ですから断るわけがありません。彼女たちがどんな思いで風俗譲となったかは知りませんが、ほとんどの娘が人に言えないような事情を抱えていました。でもそんなこともどうでもよくて、私は……その娘達を見下していました。見下しながら、その娘達と自分は同じだと思っていました。彼女達は金銭のために、好きでもない男に抱かれ、私は、金銭を払ってまで好きでもない女を抱いている。そうして、くだらない憂さ晴らしをしていたのです。叶うはずがない想いを捨てられないどころか、膨らみ続けていく己の愚かさと、そのどうしようもなさに心の底から嫌気が差していましたから」

(※性的な表現が含まれますので、18才未満の方の閲覧はご遠慮下さい)
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2015/01/28(22:33) | Comment:0 | TrackBack:0
「………すまない、東城。本当は………ほんとうは、こんなこと聞かなくたってわかっているんだ。僕だって本当は、お前が僕を愛してくれていることをわかっているんだ。何度も何度も、僕を好きだと、愛してると、お前はそう囁いてくれた。僕が自信を持てない容姿も、お前は、僕がずっと男装していたにも関わらず、女子としての僕を褒めてくれたんだ。可愛い服や、やたらひらひらした派手な服を持ってきては、必ず僕に似合うと言って、いくつ僕に吹っ飛ばされて捨てられてもお前は諦めなかった」
ぽたりと、九兵衛の頬から涙が滴り落ちる。
細かく震えるたおやかな白い手は、硬直している東城の頬を優しくなでていった。
「僕は、女子にはなれないんだ。可愛くて優しくて強い、妙ちゃんのような女の子には、なっちゃいけないんだ。柳生家の跡取りとして男子であらねばならぬのが、僕に課せられた運命(さだめ)だったんだから。……でも、もうそれも終わったんだ。妙ちゃんを嫁にしようとして銀時達が取り返しにきたあの事件があってから、パパ上もおじい様も、僕へと、申し訳ないような、哀れむような、複雑な表情をするようになったんだ。実際に、『もうお前に男になれとは二度と言わぬ。柳生家の跡を継ぐかもどうかもお前が決めていい。……本当にすまなかった、九兵衛』とパパ上からは頭を下げられて、謝られたんだ。……僕は、そのときほど困ったことはなかったよ。今まで我慢し続けてきた怒りも苦しみも何もかもが吹き飛んで、あとに心に残るのは、空ろな虚しさだけだったんだ」



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執筆中
2015/01/22(02:05) | Comment:0 | TrackBack:0
ピクシブで公開している18本をカゲンノツキへ引越しました

≪大好きな君へシリーズ≫
大好きな君へ (R18/のざちよ)
大好きな君へ 2 (のざちよ)
大好きな君へ 3 (のざちよ)
大好きな君へ 4 (のざちよ)
後日談 (R18/のざちよ)

≪バカップル飲み会シリーズ≫
野崎家開催三大バカップル飲み会は酒乱の結婚式場でした (R15/のざちよ&堀鹿&若瀬尾)
沖縄開催飲み会第二回はバカップルとホモの告白会場でした 前編 (R15/のざちよ&堀鹿&若瀬尾&まゆみこ)

≪恋の行く末シリーズ≫
悪魔との契約 (せおのざ ※のざちよ前提)
崖から突き落とされた少女の恋
恋が始まる日 (のざちよ)

≪二度と言えない告白シリーズ≫
二度と言えない告白 (R18/のざちよ)
役目を終えたリボン (R15/のざちよ)

≪単品≫
これでもう君を、逃がさない (R18/のざちよ)
野崎くんと私がアブノーマルになった日 (R18/のざちよ)
ご主人様と犬 (R18/若瀬尾)
恋の駆け引き (のざちよ)
終わらない涙 (のざちよ)
2015/01/17(15:30) | Comment:0 | TrackBack:0

(2015/01/18
景麒と陽子のイラスト追加しました。)


※失道ネタ注意。
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2015/01/02(00:00) | Comment:0 | TrackBack:0